天国より野蛮 34
 終わりです。

 アーサーの父親はアーサーだよ!というだけの話だったので、アーサーの出生の秘密をさっさと明らかにしてアーサー少年により日常の母さん萌え話を描きたい!と思ってたのですが、描き終えたらけっこう満足してしまいました。つまり本末転倒(モアちゃんの声で)。



 またいらん裏設定がたくさんあるのでこの場を借りて補足です。長いし厨二丸出しなんで読まなくてもいいです。

 アーサー(父)は菊と結婚するに当たってカークランドの家からほぼ勘当されてるんですが事故で亡くなってしまったので、不憫がった実家からせめて孫はうちで引き取りたい、それに女手一人で子供育てるの大変だろう、うちで最高の生活と教育を施してやるからと申し出られるんですが、菊は「アーサーさんを捨てた家に子供を渡すわけにはいきません」とそれを頑として拒んで、それに賛同したアルフレッドと共にアーサーを育ててきました。
 ちなみにアーサー(父)がカークランドの名前を嫌がってたのでその意を汲んで、アーサー(子)の父親欄はアルフレッドの名前になってます。

 アルはかねてより菊にほのかな思いを寄せてたんで渡りに船と言いたい所ですが、アーサー(父)がどんなに真剣に菊を愛してたかよく知ってるので、アーサー(父)の死につけ込んでしまうという負い目も背負ってます。でも菊のことはやっぱり好きだし、アーサー(子)のためという大義名分を掲げて「俺のことは好きにならなくてもいいから、アーサー(子)のために結婚して」と菊にプロポーズします。
 菊もアルのことを心憎からず思ってはいたんですが、アーサー(父)への思いとか、アーサー(子)のことを一番に考えなければというので当初は拒みます。でも一人でいるとカークランドの家が孫返せとうるさいし、アーサー(子)のためには父親がいた方がいいと考え直したのでアルの求婚を受けることにします。当初は形式的な夫であるという以上にアルに対して踏み越えた感情は持たないようにしてましたが、一緒に暮らしていくうちにアルのことを愛するようになります。
 ただ菊はアルを愛するのに比例してアーサー(父)への罪悪感も大きくなってるので、アーサー(父)と瓜二つのアーサー(子)に(そうとは知らないにしても)糾弾されてものすごくショックを受けてます。アルがぶん殴ったのはそんな菊の気持ちが分かってるからで、「謝らない」と言ってるのもそのためです。

 今回アーサー(子)に全部話したのでぎこちなさはまだ残るにしても、これまで抱えてたモヤモヤは随分すっきりしたはずです。
20111024